フラン•パルレ Franc-Parler
La francophonie au Japon

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ルイ=ポール・デザンジュ、子供たちの映画館オーナー支配人
投稿日 2007年12月1日
最後に更新されたのは 2023年5月23日
ルイ=ポール・デザンジュ:子供たちの映画館
 
パリには子供たちの映画館がある:ユルシュリーヌ・スタジオではその大半のプログラムが子供向けなのだ。そこではもう少し大きな人たちも歓迎される。オーナーのルイ=ポール・デザンジュがその仕事の一端を垣間見せてくれる。
 
フラン・パルレ:あなたは映画館のオーナー支配人でいらっしゃいますが、どのような経緯でそこに至られたのですか?
ルイ=ポール・デザンジュ:私はそこでプログラム担当をしていたのですが、2年前からオーナーになりました。実際、私は3年間、フランス映画監督協会の為に働いていました。そこではある程度の数のフランス人監督の作品を紹介していました。その環境で、私は子供向けの映画館としてのユルシュリーヌ・スタジオのプログラム担当をしていました。そしてそこを2006年に買い取った後、私達は同様の企画をし続けました。今は、私はもうそこでは働いていません。私はただ映画館の支配人と映画の脚本家をしているだけです。
 

フラン・パルレ:その映画館は長い歴史があるのですよね….
ルイ=ポール・デザンジュ:その通りです。その映画館は1926年に創られました。その前は劇場だったのですが、映画館になったのです。そこで、パリの他の5館とともに、アート・シアターのムーブメントが起こったのです。そこは、より商業的な映画に対して良質の映画を守る会の下に結集した映画館のグループを代表しています。
 
フラン・パルレ:何故子供向けという選択なのですか?
ルイ=ポール・デザンジュ:何故なら映像が沢山ある今の時代に、良いもの、そうでないもの、私たちが好むものについて少し指針となること、映画のある種の考えを守ること、そして私たちの若い観客たちの中で未来のシネフィル(映画通)を育てるということはかなり重要だと私達には思われたからです。
 
フラン・パルレ:良いもの、そうでないものとは何ですか?
ルイ=ポール・デザンジュ:それは好みの問題だと言えるでしょう。私はかなり幅広い好みを持っています。その点で、私が少し遠い国の映画術を用いた作品がとても好きです:日本のアニメーションとか、チェコや中国のアニメーションとか。私は今は、常にアメリカの作品のファンではありません。良質の作品もあるのですが、下らないものもあります。それは必ずしも製作国による区別ではありません。それは良い作品と良くない作品があるということです。私は良くない作品は子供の市場を引きつけるためにわざと作られているのだと考える傾向にあります。良い作品は、作者の独創的な表現が現れている作品だと私は思います。
 
フラン・パルレ:子供向けは、アニメ映画だけではないでしょう。他にもありますか?|
ルイ=ポール・デザンジュ::私達はプログラムにかなりバラエティーを持たせるように努めています。つまりアニメ映画、実写映画、新作と名作、長編、短編というように。私達はプログラムを組むにあたり、ある程度の数のタイプを守ろうとしています。
 

フラン・パルレ:あなたは複数の団体と仕事をされていますが、どの様に関わっていらっしゃいますか?
ルイ=ポール・デザンジュ:私達は地域内のある一定の数のとてもローカルな団体と仕事をしています。あらゆる形があります。子供向けの定期的な上映企画をする団体があり、パリの複数のホールで、何回かに分けて上映しています。ある特定のタイプの、例えば社会的な出自による、子供たちに関わっている団体もあります。例えば地域において、問題を抱えた子供たちについては、彼らを特別に担当している複数の団体があり、彼らを映画館に連れて行くのです。これが私達が実践しているやり方です。私達は彼らをこの環境の中に受け入れるのです。
 
フラン・パルレ:来場者は地域の人々だけですか、それともパリ全域から来るのですか?
ルイ=ポール・デザンジュ:私達は、かなり独創的な上映企画をやろうとしています。だから、時にはあるタイプの作品を上映する唯一の映画館になり得ます。そのことから、そうした作品については、人はあちこちから来ます。なぜならその作品がみられる唯一の場所だからです。でもお客様の大部分は実際に地域の人々です。
 
フラン・パルレ:そこは独立系の映画館ですよね….
ルイ=ポール・デザンジュ:完全にそうです。こんなに独立しているところはありません。しかしその一方では独立、ということは大した意味はないのです。何故なら殆どことごとく公的支援に左右されるからです。私達は映画市場に対して独立しているのです。
 
フラン・パルレ:他の映画館との競合はありますか?
ルイ=ポール・デザンジュ:パリでは、シネコンのかなり厳しい攻勢があります。そしてその他に独立上映館との間に実際リアルな競争があります。だから、その中で生き残って行くのは難しいのです。そういう状況で…パリでの営業は、かなり複雑です。
 
フラン・パルレ:子供の観客にとって特別な期間はありますか?
ルイ=ポール・デザンジュ:万聖節のお休み、2月のお休み、復活祭のお休みですね。私の語彙は古いので、その言い方は変わりましたが、だいたいそれらの期間です。
 
フラン・パルレ:伝統的なクリスマスの外出時に、両親や祖父母は常に子供達を連れていきますか?
ルイ=ポール・デザンジュ:そもそもそれはかなりフランス的な伝統だと私は思いますが、わかりません。ともかく、ある時期まではその通りでした。何故なら子供向けの唯一の作品はクリスマスのディズニー映画だったからです。それは今も続いている慣習の一つだと思います。それは子供たちと映画に行きたくなる典型的ななごやかなひと時だからです。
 
フラン・パルレ:では、あなたのところでも、クリスマスはディズニーなのですか?
ルイ=ポール・デザンジュ:いいえ、ディズニーは滅多にないです。時々それらを後で上映しますが、私達はいずれにしてもそれらの独占上映権はありませんから。私達が気に入っているものは後で上映します。
 

フラン・パルレ:映画館は他の楽しみ、携帯電話の使用などに苦しんでいるのですか?
ルイ=ポール・デザンジュ:フランスの入場者数はけっこう安定しています。というのは、ある時期とても下がって、再び上がって、わりあい安定しています。一見して、その変動はわからないと思います。もっとも厳しい打撃は、それはテレビが出て来た時でした。それからカナル(フランス発の有料チャンネルの名前)の時だったのですが、是正の措置もありました。今のところ、フランスの作品は安定していると言えます。フランス映画はおそらく、他の国よりも、他の楽しみ方と直接的な競合にあえいでいません。
 
2007年12月
インタヴュー:プリュウ・エリック
翻訳:粟野みゆき
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