アン・シャンプー:ケベック映画は、印象的です。ケベック州は外国において、サーカスや現代舞踊といった舞台芸術等、文化的な分野で光っている。ケベック文化産業促進公社(SODEC)の予算の65%を占めている映画やアニメーションも、どのジャンルにおいても、遅れをとっていない。このケベック州政府の機関で映画・テレビ制作局長を務めるアン・シャンプーは、それらの作品の豊かさをケベック映画祭2009で、見いだすよう、私たちに勧めてくれる。フラン・パルレ:ケベック州において、ケベック製の映画は外国製の作品に比べてどの程度の割合を占めていますか?アン・シャンプー:その時によって変動します。例えば20%に達した年もありましたし、昨年のように、もう少し低い割合だった年もあります。昨年は約12%でした。フラン・パルレ:どのようにしてあなた方は、ケベック製の映画の発展を助け、貢献していらっしゃるのですか?ケベック州においても、国外においても?アン・シャンプー:ケベック州では、資金供給による方法です。制作者に補助金を渡す形ではありませんが、たしかに資金供給をしています。それは長編フィクション映画の制作では150万カナダドルに達することもあります。国外においては、Sodexportというプログラムの方法で援助します。しかし外国では、より多くの補助金と援助をする形になります。例えばフェスティバルに映画作品が出品される時に、その映画監督を援助します。私たちは飛行機代や、映画作品のプリント代を支払います。しかし外国で制作する作品への投資はしません。フラン・パルレ:外国のフェスティバルへの出品についてですが、何故あなた方はケベック映画祭の開催地に調布市(東京)を選ばれたのですか?アン・シャンプー:昨年、私たちの公社社長が日本に行き、ケベック州の作品を紹介するプログラムを企画するという目的で、ケベック州と調布市が合意したのです。市は資金を出すことを快諾してくれたので、私たちもその週に実施することを決定したのです。フラン・パルレ:ケベック映画には、観客が期待しているもの、監督が(好んで)作るもの、SODECがプロモーションしているものを反映する傾向がありますか?アン・シャンプー:それはかなり色々です。現在では様々なジャンルがあります。子供向けの作品、コメディ、メロドラマ、自主制作映画など、何でも。SODECに委任されているのは、制作者たちが私たちに企画を出した段階から援護し、常に様々なジャンルを奨励し、援助するように努めることです。私たちが見るのは、シナリオの完成度、はもちろんですが、ジャンルの多様化というのはSODECの大きな関心事の一つになっています。私が思うには、全体として、SODECは、特に(ケベックとしての)アイデンティティーのある映画に関心があります。それはまさに我々を象徴するものだと思います。あらゆるジャンルにおいて。それは常にケベック州のリアリティーの中から取り出してくるものです。私たちは年に1、2回、1回の時もありますが、コメディを援助しています。それに加えて自主制作映画の支援もしています。最も有名な、ドゥニ・アルカン監督(Denys Arcand 2004年度セザール最優秀作品賞Les invasions barbares「(邦題)みなさん、さようなら」)が好例でしょうが、ベルナール・エモン(Bernard Emond スイス・ロカルノ国際映画祭にドラマを出品した脚本家・監督、近作Contre toute espérance「全ての望みに反して」)も別の例です。ブノワ.ピロン監督(Benoît Pilon ケベック映画ナンバーワンを決めるジュトラJutra賞2009年度最優秀作品賞Ce qu’il faut pour vivre「生きる為に必要な事」)もそうです。出品される映画作品のリストを見てみると、フェスティバルでは、私たちを代表するものは、やはり自主制作映画であることは確かですが、SODECの任務は多様化の方向に進んでいます。常に(ケベックとしての)アイデンティティーをもった多様性に。フラン・パルレ:ケベック映画は大部分がケベック州で制作されているのですか、あるいは特にフランス語圏の国の映画界と、共同制作もあるのですか?アン・シャンプー:それは大部分がケベック州で制作されています。しかし私たちが共同制作を支援している企画もあります。私たちは年間5、6本の共同制作作品の資金援助をしています。それはフランス、ベルギー、スイス、リュクセンブルグといったような国々、加えてヨーロッパの国々等、色々な国々と共同制作をすることがあると言っておきましょう。フラン・パルレ:ケベックに存在する、映画を紹介する為の重要なフェスティバルにはどんなものがありますか?アン・シャンプー:それらはもちろん、全て重要です。当然、モントリオールで国際映画祭があります。アビチビ(Abitibi)の国際映画祭、サグネー(Saguenay)の短編映画祭…10月にはモントリオールで開催される新しい映画のフェスティバルがありますが、これがとても成功しています。ドキュメンタリー映画の国際交流会、野外映画祭…私たちは平均して年間に15余りのフェスティバルを支援していると言えます。2009年9月インタヴュー:プリュウ・エリック翻訳:粟野みゆき
アン・シャンプー、ケベック文化産業促進公社(SODEC)映画・テレビ制作局長
投稿日 2009年9月1日
最後に更新されたのは 2023年5月25日