東京オペラシティの3階で、1600席の「コンサートホール」に隣接して、ひっそりとたたずむ「近江楽堂」は不思議な空間だ。約50坪の空間をとりかこむ白い壁は硬質で、一見モダンそのものだが、壁から張り出したレリーフは、観る者の立つ位置によって、十字架のようにもハート型のようにも見えて、「愛」に包まれた場をそこはかとなく演出している。初期フランス様式の二段チェンバロが常設されていることもあって、ルネサンスからバロックの室内楽を愛する人々が通いつめる。
フランスで、マレやクープランが活躍したバロック時代は、日本の江戸時代初期にあたる。川越市は「世に小京都は数あれど小江戸は川越ばかりなり」と謳われ、町並みに当時の風情を残している。川越近隣に在住する4人の若手によるアンサンブル「小江戸コンセール」が、このほど「フランス人」をテーマに演奏会を開催する。F.クープランの『諸国の人々』より第1オルドル「フランス人」など。
出演:新井道代(フラウト・トラヴェルソ) 天野寿彦(バロック・ヴァイオリン)
田中孝子(ヴィオラ・ダ・ガンバ) 佐藤麻衣子(チェンバロ)
東京オペラシティ3F 近江楽堂
7月12日(金) 19:00開演
前売 3000円 当日 3500円
お問い合わせ:小江戸コンセール事務局 petite.edo@gmail.com