毎年、フランス映画の良作を一同に集め、日本の人々に紹介しているフランス映画祭が、今年も開催される。第21回目となる今回は、団長を女優のナタリー・バイが務める。ナタリー・バイは、フランソワ・トリュフォーやジャン=リュック・ゴダールなどの巨匠たちに愛されたフランスが誇る名女優である。フラン・パルレでも、第16号で彼女へのインタビューを行っている。そんな彼女が、自身の出演作『わたしはロランス』とともに来日する。『わたしはロランス』は、弱冠23歳にしてカンヌ国際映画祭に3作品を出品し話題となったグザヴィエ・ドラン監督による、10年に渡る美しく切ない愛を描いたラブ・ストーリーである。注目のオープニングは、フランソワ・オゾン監督作、『In the House(英語)』に決定した。高校の国語教師と生徒との個人授業が息詰まる心理戦へと変わっていくスリリングな作品で、第37回トロント国際映画祭では国際映画批評家連盟賞を受賞し、フランス本国では公開から1ヶ月で100万人を超す興行成績を記録している。フランソワ・オゾンの最高傑作との呼び声も高い1本である。上映作品はその他にも、ナポレオン将軍を打ち破ったイギリスの軍人、ウェリントン将軍を主人公にした壮大な歴史絵巻『ウェリントン将軍〜ナポレオンを倒した男〜(仮)』や、不治の病に自ら尊厳死を選択しようとする母親と出所したばかりの一人息子の絆を描いた感動ドラマ『母の身終い』、ノーベル賞作家フランソワ・モーリアックの小説を映画化し、オドレイ・トトゥが一人の女性の影の部分を熱演した『テレーズ・デスケルウ』など。コメディ、サスペンス、歴史劇、ドキュメンタリー、アニメーションなど幅広いジャンルの作品や短編作品集といった魅力的なラインナップとなっている。そして、今年初めての試みとして上映されるクラシック作品に選ばれたのは、ジャック・ドゥミ監督の『ローラ』。『シェルブールの雨傘』で知られるドゥミがミシェル・ルグランの音楽にのせて描く、甘く切ない恋の物語である。2012年のデジタル修復完全版での上映となり、ヌーヴェル・ヴァーグを代表する名カメラマン、ラウル・クタールが美しく捉えたナントの光が、スクリーンに新しくよみがえる。また、来日するアーティストたちにも注目したい。団長のナタリー・バイやフランソワ・オゾンをはじめ、ジャック・ドワイヨン(映画祭では監督作である『アナタの子供』が上映される)、リュディヴィーヌ・サニエ(映画祭上映作『恋のときめき乱気流』主演)など、フランス映画を代表する豪華な顔ぶれが予定されている。話題作、最新作が勢揃いする貴重な機会に、フランス映画の奥深さ、多様性を味わってみてはいかがだろうか。<東京会場>会期:2013年6月21日(金)〜24日(月)会場:有楽町朝日ホール・TOHOシネマズ日劇(レイトショーのみ)プログラム数:全14プログラム料金(1プログラム):前売券 一般•学生 1200円 当日券 一般 1500円 学生 1200円※6月23日(日 )11:00「森に生きる少年〜カラスの日〜」特別券 こども(小学生以下対象) 500円※当日券学生:要•学生証お問い合わせ:ハローダイヤル 050−5541−8600(8:00〜22:00)詳しくは、フランス映画祭 2013 ホームページをご覧ください。
2013年6月21日〜24日 フランス映画祭2013
投稿日 2013年5月17日
最後に更新されたのは 2023年5月23日