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『私は確信する』 Une intime conviction
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Crédits : ©Delante Productions - Photo Séverine BRIGEOT

『私は確信する』
 
 真実と正義。この2つを手に入れるために、人はどれだけ多くの犠牲を払わなければならないのだろう。この映画の主 人公、ノラ(マリーナ・フォイス)の行動がそれを教えてくれる。息子の家庭教師、クレマンス(アルマンド・ブーランジェ) の父・ジャック・ヴィギエ(ローラン・リュカ)には、失踪した妻の殺人の容疑がかけられてい る。一度は無罪を勝ち取ったジャックだが、検察側の控訴によって再び裁判にかけられることになった。彼の無罪を確信するノラは、敏腕弁護 士エリック・デュポン=モレッティ(オリヴィエ・グル メ)にジャックの弁護を依頼する。ノラの狂信的なまでの熱意を知り弁護を引き受けることにした彼 は、彼女に250時間もの通話記録の文字起こしを してほしいと告げる。それはスザンヌの愛人オリヴィエ・デュランデ(フィリップ・ウシャン) をはじめ、裁判の検察側証人になるであろう人々のやり取りで、証人の嘘を見破るための大切な証 拠となるものだ。シングルマザーで料理人、忙しい毎日を送るノラにとって、1ヶ 月半後の裁判に間に合うよう通話記録を起こすのは容易なことではない。それでも、真実と正義を求める彼女はそれに挑む。仕事や息子との関 係を犠牲にしよう とも……アントワーヌ・ランボー監督は、フランスとアメリカの裁判の違いについてこう語る。「フランスの裁判は、アメリカの裁判で求めら れるような合理的 な疑いを求めず、陪審員には確信を要求している。その確信とは、宗教のようなものなのです」と。証拠ではなく、印象が決め手となる不合 理な規律。その問 題を多くの人に投げかけようと、初監督作品に選んだ題材が、フランスで実際に起きたヴィギエ事件だった。裁判を実際に傍聴し、家族や関係 者への取材を丹念 に行った結果、本作が誕生した。ノラは架空の人物だが、彼女のモチーフとなった女性は実在したという。「疑わしきは罰せず」を説くデュ ポン=モレッティの最終弁論に、フラン ス司法への希望を見出したい(Mika Tanaka)
 
監督:アントワーヌ・ランボー
出演:マリーナ・フォイス、オリヴィエ・グルメ、ローラン・リュカ、フィリップ・ウシャン、インディア・ヘアほか
2018年/110分
 
Une intime conviction d’Antoine Raimbault avec Olivier Gourmet, Laurent Lucas, Marina Foïs, Philippe Uchan; 2018, France, 110 min
 
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