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『マーメイド・イン・パリ』 Une sirène à Paris
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Crédits : ©2020 – Overdrive Productions – Entre Chien et Loup – Sisters and BrotherMitevski Production – EuropaCorp - Proximus

『マーメイド・イン・パリ』

 セーヌ川に浮かぶ老舗のバー、フラワーバーガー。きらびやかな数々のショーが、訪れる人を異次元の世界へといざなう。戦時中はレジスタンスの活動を支える場所として、今は過酷な現実を忘れ想像の翼を広げる場所として佇む。創設者はここで歌うガスパール(ニコラ・デュヴォシェル)の祖母だ。彼は、祖母の志を継承したいが、フラワーバーガーの経営は決して明るくはない。閉店せざるを得ない窮状を告げられ、夜の街を彷徨うガスパールの目に飛び込んだのは、瀕死の状態で打ち上げられた人魚、ルラ(マリリン・リマ)だ。ガスパールは彼女を助け、自宅の浴槽で看病するが、ルラは自分の歌声を聴いても死ぬことがない彼に戸惑いを隠せない。人間から自分の命を守るため、妖しい歌声で人間の命を奪ってきたルラは、地球に残されたたった独りの人魚。一方ガスパールは、愛に傷つき、心がボロボロになって何も感じなくなってしまったシンガー。ルラはガスパールの優しさに孤独を癒され、ガスパールはルラの純粋さに無力感から解放される。しかし、水の中に生きる者と地上に生きる者の間には大きな壁が……脇を固める2人の女優の存在感が強烈だ。人魚の存在に驚きもしないロッシ(ロッシ・デ・パルマ)のお節介が”光”なら、命を奪う人魚に敵意を持つ医師のミレナ(ロマーヌ・ボーランジェ)の追及は”影“のようにも見える。光と影の間で揺れるファンタジックで淡い恋は、苦しい現実を生きる私たちにひとときの夢を届けてくれるに違いない。(Mika Tanaka)
 
監督:マチアス・マルジウ

出演:ニコラ・デュヴォシェル、マリリン・リマ、ロッシ・デ・パルマ、ロマーヌ・ボーランジェ、チェッキー・カリョ2020年/102分
 
Une sirène à Paris de Mathias Malzieu avec Nicolas Duvauchelle, Marilyn Lima, Rossy de Palma; 2020, France, 102 min
 
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