Crédits : © Lilies Films. 『FUNAN フナン』1975年4月、カンボジア。ポル・ポト政権率いる武装組織、クメール・ルージュがプノンペンを制圧する。その後、多くの民が自由を奪われ、農村での労働を強いられたのだ。農村に連れ出される途中、チョウとクンの夫婦は、息子ソヴァンと生き別れとなってしまう。過酷な労働、失われる尊厳、心身ともに擦り切れていくチョウとクンを支えるのは、最愛の息子との再会というかすかな希望だった……自身の母親の体験をもとに、監督のドゥニ・ドーは、カンボジアの負の歴史を描き上げた。この悲劇からまだ45年しか経っていないという事実がつらい。実写ではなく、アニメーションという手法が用いられたことの意味を考えてしまうのはなぜだろうか。人間の愚かさはこれからも歴史に刻まれていくのだろうか。しかし、人間が持つ「希望の力」もまた同じように、歴史を動かしていくのだろう。(Mika Tanaka)監督:ドゥニ・ドー声の出演:ベレニス・ベジョ、ルイ・ガレル2018年/フランス・ベルギー・ルクセンブルク・カンボジア/84分Funan film d’animation de Denis Do avec les voix de Bérénice Bejo, Louis Garrel, Colette Kieffer; 2018, France, Belgique, 84 min

『FUNAN フナン』 Funan
