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『グレース・オブ・ゴッド 告発の時』 Grâce à Dieu
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Crédits : © 2018-MANDARIN PRODUCTION-FOZ-MARS FILMS–France 2 CINÉMAPLAYTIMEPRODUCTION-SCOPE

『グレース・オブ・ゴッド 告発の時』
 
“Grâce à dieu” —— 映画の原題となっているこの言葉を、聖職者が公の場で、もっともふさわしくないタイミングで発する。ほんの短いワンシーンに、一瞬で怒りが込み上げる。こんなときに神を語るのか、こんな現実が教会の日常なのか、こんなことがあっていいのか!と……映画の題材となったのは、カトリック教会の神父によるボーイスカウトの少年たちへの性的虐待事件。オゾン監督は、被害者として声を挙げた男性たちの話に耳を傾け、ドキュメンタリーのタッチのフィクションを撮り上げた。ちょうど事件の裁判が始まった翌月、本作はベルリン国際映画祭で銀熊賞に輝き、本国フランスで多くの賛辞を浴びた。
 
 映画は3人の登場人物を軸に進む。5人の子供を持つアレクサンドル (メルヴィル・プポー)。彼は、自分を辱めた神父が今でも子供たちと接する現場にいることを知り告発を決意する。そしてフランソワ(ドゥニ・メノ ーシュ) 。警察から連絡が入り告訴を問われると、封印していた記憶が一気に溢れ出し、やがて被害者の会を立ち上げる。その記事を新聞で読み、告訴に加わったエマニュエル(スワン・アルロー)。彼は心だけでなく体にもその痕跡を残していた。彼らは家族と支え合い、ときにぶつかりながら、自分たちの心の傷を癒すための闘いを繰り広げていく。
「映画」には、社会を動かす力があるのだろうか?オゾン監督が聞いたある司祭の言葉に、その答えがあるような気がする。
「この映画は教会にとってのチャンスかもしれない」(Mika Tanaka)
 
監督:フランソワ・オゾン
出演:メルヴィル・プポー、ドゥニ・メノージェ、スワン・アルロー、ジョジアーヌ・バラスコ、エレーヌ・ヴァンサン
2019年/137分
配給:キノフィルムズ/東京テアトル
 
Grâce à Dieu de François Ozon avec Melvil Poupaud, Denis Ménochet, Swann Arlaud, Josiane Balasko, Éric Caravaca; 2018, France, Belgique, 137 min
 
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