Crédits : ©2017-JERICO-PATHE PRODUCTION-TF1 FILMS PRODUCTION-NEXUS FACTORY-UMEDIA 『母との約束、250通の手紙』「画家になるのはダメよ、死んでから名前を残したって意味がない」絵を描くのが好きな息子に、そう告げる母親がいる。そして息子が文学に関心を示すと「お前はトルストイに、ヴィクトル・ユゴーになれる」と全面的に支援、いつか有名人になれるに違いないからと社交界に出ても恥ずかしくない教育を施す。彼女のことを毒親と呼ぶべきだろうか?それとも……原作は、ロマン・ガリの自伝的小説『夜明けの約束』。エキセントリックでたくましいユダヤ系のシングルマザー、ニナ(シャルロット・ゲンズブール)は、ガリの母親だ。パリの大学に進学し、作家としてデビューを果たした青年ロマン(ピエール・ニネ)は、戦雲立ち込める1938年、フランス兵となって戦地に赴任する。やがてリビアで腸チフスに侵され病床に伏してしまう。生死の境を彷徨うロマンに、ニナから次々と手紙が届く。「病気が何?執筆中の小説を書き上げなさい、モーパッサンは梅毒でも書き続けたのよ」「死ぬのは許さない」「お前を誇りに思います、フランス万歳」……250通の手紙に込められたスパルタ的な激励のおかげで、ロマンは生きて故郷に帰ってくる。どんなに不完全でも、どんなに欠点だらけでも「母の愛」に勝るものはこの世に存在しないのかもしれない。理想の母親像を押し付けられて苦しむ母たちにこそ、観てほしい映画。(Mika Tanaka)監督:エリック・バルビエ出演:シャルロット・ゲンズブール、ピエール・ニネ、ディディエ・ブルトン、ジャン=ピエール・ダルッサン、キャサリン・マコーマック、フィネガン・オールドフィールド2017年/フランス・ベルギー/フランス語・ポーランド語・スペイン語・英語/131分/R15+La promesse de l’aube d’Éric Barbier avec Charlotte Gainsbourg, Pierre Niney, Didier Bourdon, Jean-Pierre Darroussin; 2017, France, Belgique, français, polonais, 131 mn, R15+

『母との約束、250通の手紙』 La promesse de l’aube
