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『再会の夏』 Le collier rouge
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Crédits : © ICB - KJB PRODUCTION - APOLLO FILMS - FRANCE 3 - UMEDIA

『再会の夏』
 
まっすぐで忠実であること。それは、正しく美しいことだ。しかし、それは戦場の中にあっても美しいものなのだろうか?
 
  映画は、吠え続ける黒い犬が暑さの中でひたすら吠え続けるシーンから始まる。犬はなぜ吠えるのか、人々にはわからない。わかっているのは、その犬が留置所の飼い主に向かって吠えているということだけだ。飼い主とは、第一次世界大戦の武功でレジオンドヌール勲章を授かったジャック・モルラック(ニコラ・デュヴォシェル)。英雄であったはずの彼がなぜ大戦直後に収監されたのか?判事であるランティエ少佐(フランソワ・クリュゼ)は、事情聴取のため、独房のジャックを訪れる。心を閉ざしていたジャックだが、やがて少佐に心を許し戦場での出来事を語り出す。彼が戦場に犬を連れて行ったこと、敵軍だったブルガリア軍との和解を試みたこと、そのときに犬がどんな行動を取ったのか、そしてどんな結果となったのか……ジャックの心が壊れた理由は、少佐が思っている以上に複雑だった。少佐は、ジャックの恋人、ヴァランティーヌ(ソフィー・ヴェルベーク)の存在にたどり着く。彼女は3歳の子供と共に、彼が帰ってくるのを待ち続けているのだ。
  戦争は悲しい。愛する者同士の心のすれ違いもまた、悲しい。しかし、2つの悲しさの間には大きな違いがある。戦争で失った命を取り戻すことはできないが、生きてさえいればすれ違ってしまったお互いの心をたぐりよせることはできる。そう、生きてさえいれば。
  この映画がフランスで公開された2018年は、ちょうど第一次世界大戦終結100年にあたる年だった。(Mika Tanaka)
 
監督:ジャン・ベッケル
出演:フランソワ・クリュゼ、ニコラ・デュヴォシェル、ソフィー・ヴェルベーク
2018年/フランス・ベルギー/83分
 
Le collier rouge de Jean Becker avec François Cluzet, Nicolas Duvauchelle, Sophie Verbeeck; 2018, France, Belgique, 83 mn
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