子守歌のシーンでは、エマ・カルヴェがディリリを優しく抱擁し(faire le câlin)、ディリリはうっとりとした顔で甘えている。「両親を知らずに育ったディリリにとって、誰かの胸に抱かれることはすごく大事なことだと思ったんだ」と、ミシェル・オスロ監督は語る。物語の構成力はもちろんだけれど、ディテールに至るまで登場人物への愛情を注ぐ心の温かさこそが、オスロ監督の素晴らしさなのだろう。ディリリの誇り高さ、恥じらい、さみしさ、すべてが愛おしくて、抱きしめたくなる。( Mika Tanaka)
Dilili à Paris film d’animation de Michel Ocelot avec les voix de Prunelle Charles-Ambron, Enzo Ratsito, Natalie Dessay; 2018, France,Belgique, Allemagne, 94 mn