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フラン•パルレ Franc-Parler
La francophonie au Japon

Rédaction du journal:
Rédacteur en chef: Éric Priou
Rédaction: Karen, Shigehiro Kobayashi, Utako Kurihara, Rika S., Hikaru Taga

La francophonie au Japon
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チョコレート職人、ニコラ・クロワゾ
投稿日 2018年12月18日
’遅くなっても、何もしないよりまし’
このFPのインタビュー記事は、インタビュー直後ではなく、後年(2018年12月)、掲載・翻訳されたものである。
 
乾杯だ:チョコレートで!
 
パリのチョコレート店ラ・メソン・ド・ショコラが、丸の内オフィス街に、日本での第二店舗を開くとなると、プレスへのオープニングレセプションは、ご多分にもれず、多くのジャーナリストの関心を引く。新製品の紹介、試食、あの商標の創始者自らの説明会と聞いただけで、一見に値する。美術・装飾担当のニコラ・クロワゾも、パーティーに参加しており、この忙しい時間を少々さいて、この特別な日のために選んだ数々の商品について語ってもらった。
 
フラン・パルレ:シャンパンを使ってこのチョコレートを作ろうと思われた動機は何ですか?
ニコラ・クロワゾ:当然のことながら、新しい店をオープンしようとする時は、なにか人を驚かせる様なものを作りたいと思うものです。いつも何か素晴らしいものを作りたいと思い、何かを創造するときには、常にそう思っています。もう四六時中です。とりわけ、ちょっと離れて考える時にそう思います。インスピレーションというものは、外部から見る時に、しばしば湧いてくるものです。ここ日本で、店を一つオープンするに際して、こう考えました。「何をしたら感動されるだろう?まだ、作っていないものは?日本人の繊細さや嗜好にあったものって何なのだろう?」と。そして、到達したのが、「シャンパンはどうだろう?」ということでした。日本人はシャンパン好きであることを、私は知っていました。
 
フラン・パルレ:フランス人もそうですよ。
ニコラ・クロワゾ:フランス人もそうですが、今回は、フランス人のためというより、日本人のために作りました。シャンパンの発想はそんな風に生まれたのです。やってみて上手くいかなければ、止めればいい、他の物を作ればいいのだと思いました。ともかく、この計画を実行に移しましたが、いつものことながら、時間が相当かかりました。というのも、その商品に対する構想、作品の完成度といった点で、かなりというか、相当こだわったものですから。初めはまあまあの出来でしたが、努力を重ね、そのうち、完成したと思われたので、今日、この店の開店に合わせて、独占販売することに決めました。もちろん、東京で先ず最初に賞味してもらうことにして、フランスでは、まだ誰も試食していません。フランスでは、11月に発表することになるでしょう。
 
フラン•パルレ:じゃあ、私達は初物を頂くことになるのですね。
ニコラ・クロワゾ:そういうことになります。
 
フラン・パルレ:その中にシャンパンは何パーセントはいっているのですか?ちょっとした愚問かもしれませんが。
ニコラ・クロワゾ:この箱に入っている16個のチョコレートのうち、6個のミルクチョコレートに、ロゼのシャンパンが入っています。それはガナッシュで、ミルクチョコレート、フルーレット(上澄み)クリーム、そして、とりわけ沢山のシャンパンロゼを混ぜ合わせたものです。ガナシュは、とても柔らかくなっています。というのは、その中に、沢山のロゼ、沢山のシャンパンが入っているからです。
 
フラン・パルレ:シャンパンが、ガナッシュを柔らかくしているのですか?
ニコラ・クロワゾ:その通りです。シャンパンを沢山使わなければ、いい香りがしないのです。その為です、今まで誰も、実際、香りのよいシャンパン入りのガナッシュや、シャンパン入りチョコレートを作ったりしなかったのは。沢山のシャンパンを使わなければならないし、第一高くつくし、その上、保存するのがとても難しい、混ぜ合わせた状態で保つのがとても難しいのです。ですから、たかがチョコレートといっても、想像を絶するような様々な制約が生じるのです。それから、二番目のチョコレートは、10個のブラックチョコレートで出来ています。たいして濃厚でなく、とりわけ酸味がないのですが、独特の風味をもっているブラックチョコレートのガナッシュです。そこには、辛口のシャンパンが使われていて、シャンパンの持つ酸味を醸し出しています。でも、シャンパンのあの発泡性は味あえません。そんなことは不可能ですから。でも、皆さんに、是非お薦めしたい、試して頂きたいのは、シャンパンと一緒に、チョコレートを味わって頂くことです。もっと端的に申しあげれば、タイユバンセレクトのシャンパンをお薦め致します。そうすれば、シャンパンの味を本当に再現できますし、両者を同時に食することで、美味しさが増すのです。でも、どうしてもといっているのではありません。別の方法でなさってももちろん結構ですし、単品で味わって頂いてもいいのです。でもシャンパンといっしょに召し上がったら、さらに一味加味され、違った鑑賞法が得られるのです。そんなわけで、貴方に最初はシャンパンなしでそれらのチョコレートを味わって頂き、次に、シャンパンと一緒だったらどう変化するかを貴方に体験して頂きたかったのです。そうした場合、チョコレートだけにはないあの発泡性が感じられるでしょう?
 
フラン・パルレ:二つ目の新作ですが、バレンタイン用ですね。バレンタインは、ここ日本ではかなり重要ですが、フランスでもそうですか?
ニコラ・クロワゾ:日本ほどではありません。ここ日本では、バレンタインは、クリスマスよりも大切ですが、我が国では、ちょうど反対です。
 
フラン•パルレ:今年の貴社のバレンタインのための新作について、少々お話し頂けますか?
ニコラ・クロワゾ:今度が初めての試みではありません。イラストレーターのペネのデッサンを使うという考えを踏襲しています。ペネのデッサンはとてもロマンチックですから、修正せず、でも、前回とは少々違ったデッサンを選びました。これが又とてもよく売れています。そんなわけで、ペネのデッサンを引き続き用いて、このラ・メゾン・ド・ショコラの可愛い小箱をつくり、その中に、ブラックチョコとミルクチョコの二つの小さなペネのハートを詰めました。それは、とてもシンプルですが、他国同様ここ日本に於いても、人々がバレンタインに寄せる思いがよく表れていると思うのです。それは、可憐な優しさ、繊細さ、洗練さを現わしています。その中には、上等のチョコレートが入っています。私達が気を配るのは、とりわけ、美味しさと見た目の美しさです。そしてその二つのことを私達は同時に真剣に考えます。それらのハートは、ぴったりと合わさった二つ鋳型で出来ていて、鋳型を封じる前に、その中に、プラリネや小さなチョコアーモンドのような多少保存のきくチョコレートを詰めます。それはとても小さいので、ごく少量ですが、それでも、中味まで美味しさを味わうことができます。
 
フラン・パルレ:こちらは、チョコレート入りの小箱そのものですね。
ニコラ・クロワゾ:その通りです。これとは別に、(バレンタイン用には、先ほどの)ラ・メゾン・ド・ショコラの箱もあるわけです。そちらの方は、ラ・メゾン・ド・ショコラの箱の定番(長方形)ですが、こちらは、赤いハート型をしています。この赤いハートは、聖バレンタインの赤、愛の赤を意味していて、づっととっておけますので、ここ日本でよく売れています。そこには、チョコレートの詰め合わせ、最良の選別されたガナッシュが入っていて、バラ売りでは、必ずしも販売されない、これらのハートの中だけに詰められている特別商品です。
 
フラン・パルレ:メゾン・ド・ショコラは、例えば、イギリス、アメリカ合衆国、もちろんフランスにも別の店舗をお持ちですよね。これらバレンタイ用の幾つかの製品は、他のお店にはないのですか?
ニコラ・クロワゾ:もちろん置いてあります。大抵の場合、私達は、全店舗用に製品を作りますから。一つの物を作る時には、すでに考案する段階で、全店舗を対象にしています。違いを一つだけあげるとするなら、サイズの微調整ですね。ここ日本では、サイズは、少々小さ目になります。アメリカ合衆国では、やや大き目です。でもね、国によって調整はするものの、味は同じです。我々が作るのですから。全製品は、同じ場所で製造されますから。全商品は、我々によって創られるのですから、国によって味が違うなどということはありえません。
 
フラン・パルレ:委託製造をなさらないのですか? 全てをフランスで作るという事には、何か理由でもあるのですか?
ニコラ・クロワゾ:私は、創業者のLinxe氏と長い間一緒に仕事をしてきました。その間、チョコレートを作ることの難しさ、それも上手に作り、保存し、職人を上手に養成することの難しさを知りました。それは、何年もの仕事の蓄積が必要です。明日、もし、バラバラになり、解散しなければならなくなったとしたら、並々ならぬ困難に遭遇します。だから、品質に力を注ぎたいのです。製造面が、私達の活動の基本です。基本は、、、、、いや、それだけではないですね、その後で、それらを宣伝し、販売し、保存しなければならない。でも、やはり、何といっても一番大切なことは、製造することにあります。
 
東京、2004年9月
 
インタビュウー:エリック・プリュー
翻訳:井上八汐
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