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『負け犬の美学』Sparring
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『負け犬の美学』
 
40代後半のボクサー、スティーブ(マチュー・カソヴィッツ)。戦績は13勝3分33敗とぱっとせず、美容師の妻・マリオン(オリヴィア・メリラティ)の収入とレストランのアルバイトでかろうじて生計を立てている。子供は2人。 上の娘オロール(ビリー・ブレイン)はボクサーの父が大の自慢だ。スティーブは、「パリの学校でピアノを習いたい」というオロールの夢を叶えたいが、先立 つ物がない。妻の反対をよそに、彼は危険な仕事を請け負う決心をする。欧州チャンピオン・タレク(ソレイマヌ・ムバイエ)のスパーリング・パートナーだ。 闘争心みなぎる選手と日々向き合い、ボコボコにされるスパーリング・パートナーの仕事は、本番の試合以上に過酷だ。しかし、ボクサーとしての誇りと娘への 愛が、スティーブの試練を支える。いつしかスティーブは、タレクの信頼を手にする。「前座試合に出てみないか?」タレクの声かけで引き受けた試合は、彼に とって50戦目。それは、妻と約束した引退試合のタイミングだった……リングでの熾烈な争いも、ス ティーブの苦悩も、静かで抑制のきいたトーンで映し出される。そんな映像とオロールが演奏するピアノの演奏と相まったとき、神聖な何かが浮き上がって見え る気がする。負け続けてもボクサーであることから逃げなかったスティーブ。「勝つ」ことよりももっと大切な宝物が、彼の心の中にあって、リングを降りてな おキラキラと輝き続ける。そんな宝物を分かち合うことができる彼の家族は本当に誇らしい!
  ロビン・ディーキン、ジョニー・グリーブズ、ピーター・バックリー。エンドロールでは、負け続けた実在のボクサーたちのリング上の勇姿と戦績が流れる。サミュエル・ジュイ監督が贈る彼らへの敬意と賛辞に、心洗われる。(Mika Tanaka)
 
監督:サミュエル・ジュイ
出演:マチュー・カソヴィッツ、オリヴィア・メリラティ、ソレイマヌ・ムバイエ、ビリー・ブレイン
2017年/95分
 
Sparring de Samuel Jouy avec Mathieu Kassovitz, Olivia Merilahti, Souleymane M’Baye, Billie Blain; 2017, France, 95 mn
 
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