フラン•パルレ Franc-Parler
La francophonie au Japon

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ステフォンヌ・ヴォンドパ-ル、ベルギー人アイスクリーム職人
投稿日 2018年8月1日
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”美食家にとっては、よりどりみどり“
 
ステフォンヌ・ヴォンドパ-ルは、日本での輸入業者を探しに、Foodex(“国際食品・飲料展”)へやって来た。彼は、アスクリーム・チョコレート・ケーキ職人として大切な、資金や技術面での活動よりも、常に先の読めない美食家の嗜好の方に、敏感に反応している。数々の商品に封じ込められた強い香り(インタビューの終わりにチョコレートを幾つか賞味させて頂いた。)は、エネルギッシュに会話すこの人柄と何か共通点があるように思えた。
 
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© Franc-Parler
フラン・パルレ:貴方は、アイスクリーム職人?チョコレート職人?お菓子職人?それとも?
ステフォンヌ・ヴォンドパ-ル:ベルギーでは、私は、どちらかというと、アイスクリーム職人で通っています。それが基底になっています。チョコレート職人という場合は、外国に出かける時などに使います。でも、一般には、アイスクリーム職人で通っています。商用等で出張する時には、アイスクリーム職人です。<アイスクリーム>のデモンストレーションをやりますから。
 
フラン・パルレ:なぜこのアイスクリーム職人という職業を選ばれたのですか?
ステフォンヌ・ヴォンドパ-ル:なぜですって? 生まれながらに、私はとても食道楽で、ほら、おわかりでしょう?私の服のサイズをご覧になれば。次いで、学生時代には、いつもデザートに目がなかったのです。それで、当然甘いものから始めました。だから、きっと、チョコレート職人、ケーキ職人で終わることになるでしょう。ともかく、砂糖浸けでした。出発点はそんなものでした。それで、実際のところ、ケーキとチョコレートの修業をしました。アイスクリームはと云うと、どちらかというと独学です。ベルギーには、アイスクリームの学校はありませんから。アイスクリ-ムのシェフなんて言葉もありませんからね。アイスクリーム職人にシェフという称号はありません。でも私は、数年前に、アイスクリーム業界に打って出たときに、こう自分に言ったものです。「いや、今に見ていろ!ケーキ職人のシェフ、チョコレート職人のシェフがあるように、俺は、アイスクリーム職人にもシェフがいることを証明してやるぞ。アイスクリーム職人と言っても、街道で作って売っているソフトクリームを作る機械の類とは違うんだ」とね。
 
フラン・パルレ:残念なことに、ここには貴方のアイスクリームが置いてないので、私は試食するチャンスがありません。そこで、貴方ご自身から、ぜひ紹介して頂けませんか?
ステフォンヌ・ヴォンドパ-ル:では、ご説明を、、、といっても、当社のものは、ちょっと説明が難しいのです、、、普通は単純に、バニラ、チョコレートの類といったものですね。もちろん当社にも、そういったものは揃えています。皆さん、お好きですから。でも、当社では、、、多少、、、趣向を変えてそれで、スーパーマーケットに置いてもらうことに成功しましてね。ちょっと珍しいことなんですよ。スーパーCarrefourに、蜂蜜・カルダモン(香味料)入りアイス、イチゴ・ルッコラ入りアイス、梨・バニラ・トンカ産そら豆入りアイス、パイナップル・スペキュロス(ベルギー製ビスケットの一種)入りアイスといったものを持ち込んだのです。ですから、バニラ等で競争している他社に対して、流れに逆らった商品で挑んだのです。私はゲランド塩入りキャラメルアイスも作りました。それこそ、私の最高傑作だと思っています。ゲランド塩が入っている自社のキャラメルのことです。実は、こんなこともありましたよ、、、JSM(ドイツに於ける世界最大の菓子とスナックの見本市)で、ゲランド塩の責任者の一人に遭遇し、、、協同組合の人でしたが、私にこう言ったのです。「でもね、俺は、お前さんの商品を試すことなどないだろうね、、、お前さんの方が俺たちのより美味しいなんて認める訳がないだろう?」と。そこで、私の2つの商品を試食してもらいました。ゲランド塩キャラメル入りアイスクリームと、ゲランド塩キャラメル入りトリュフです。すると、彼はこう言いました。「俺たちの地域で、そいつらを売ったっていいぜ。全く問題なしだ」と。そうでなくても、私は、市場を開拓し、順応に努めています。ですから、沢山のレストラン経営者や星付きオーナー達から、注文を貰っています。ここ、日本にいる間も、一つ星のレストランから幾つかの注文がはいりました。それは、みかんを使ったものでした。シシュアン(さんしょ)の実を使ったみかんシャーベットでした。ほら、そんな風に、土地にあったものを試作します。例えば他にどんなもので? ラズベリーとか、、、ボーヌ(ブルゴーニュ地方)へ行ったときは、カシスのつぼみをみつけ、カシスのつぼみシャーベットを作りました。もう、際限がありません。我が国にアジアの客がいらっしゃれば、ワーテルロー(ベルギー)に、一軒日本レストランがありますので、そこで、胡麻入りアイスクリームを作ったり、ワサビ入りの青りんごを提供することもできます。いろいろ斬新なもの、少々ユニークな物を工夫したりします。そうすることで、マンネリを破ることも出来ます。
 
フラン・パルレ:貴方は、大型店や高級レストランで商売をしていらっしゃいますが、貴方個人の販売網も持っていらっしゃるのですか?
ステフォンヌ・ヴォンドパ-ル:いいえ、私個人のお店は持っていません。私は、ちょっと賭けに出たのですよ。まだ、40歳に達していませんから。ある時、、、ブリュッセルに一つ店を持っていましてね。その時は、経営するのが非常に難しかったのです。とりわけ、私の年では。店のスタッフを探さなくてはなりませんでしたし、アトリエ(工房)が、ブリュッセルにはなかったのです。行きに50キロ、帰りに50キロかかるありさまでした。だから、時間を上手く采配するのが難しかったのです。そこで、店を閉めることを決断し、アトリエを作り直して、もっときれいに、広く、快適にしようと思いました。結果、約90m2から、現行の2000m2の廣さになりました。だから、会社は明らかに拡張しました。2011年から6年後には、売上高は、10倍を少々越えました。今の時点でそうですから、ここFoodexへの参加を考慮したら、業績はもっと伸びるのではないかという目論見です、、、実に速足で成長している会社だといえます。ここ2・3年の間に、急成長しています。Carrefourとベルギー内での契約を幾つか、Delhaize社(ベルギー)とも結びました。日本では、専売権を幾つか獲得しました。そういったことは、売上高を一気に上昇させることになるでしょう。
 
フラン・パルレ:チョコレートは、別々に作っていらっしゃるのですか?それとも一緒に?
ステフォンヌ・ヴォンドパ-ル:まったく別の二つのアトリエ(工房)で作っています。アトリエの広さは、総面積横20m、縦100mだと想像して下さい。そして、二つのアトリエに共通の倉庫が一つあります。最初の倉庫は共用だったり、或は、壁で仕切ってあったりします。それはとても大きな壁で、もちろん、言ったり来たり出来る扉つきです。右側は、全てケーキ製造用にあてています。ムースやテイラミスやチーズケーキを作ります。それらを、チェーン店のために、急速冷凍もしますので、そこをアイスクリームコーナーにしています。従って、冷凍庫が、入り口から少なくとも80mのあたりまで塞いでいます。冷凍庫は床面積20m2の一台です。今、もう一つ増やそうと思っています。それでも充分ではないので、別の場所に、更に80m2の冷凍庫を設営しようと思っています。壁の反対側は、チョコレート製造用で、幾つかの菓子糖衣着装機が備わっています。それは、一番大きな機械で、縦17m、横1mもします。だから、徐々に徐々に設備投資して、拡大しているのです。
 
フラン・パルレ:今迄お話を伺った限りですが、それでも貴方はご自分を職人とお考えですか?
ステフォンヌ・ヴォンドパ-ル:もちろんですよ。実際働いているのは、私なんですから、、、但し、申しあげておきますが、このことは、チョコレートの場合をお話ししているのであって、、、アイスクリームの場合は、後でお話しします。それで、チョコレートを例にとると、ここ日本に持ちこんでいる全てのプラリネは、私のアトリエで加工されたものです。即ち、ヘーゼルナッツ など、実際、果物から始めて、全てを私が加工するのです。その代わり、私自身ではチョコレートは作りません。チョコレートに関しては、よく熟知していますので、そのまま受け入れます。そのための投資などはしないのです。第一、機械を買うお金などありません。最高級のチョコレートを厳選する方を選びます。なかでも、ベルギーの製造業者、フランスの製造業者を選びます。ここ直近で選んだのは、フランスの業者達です。名前は挙げませんが、断じてValrhona(フランスのチョコレートの大卸業者)ではありません。もちろん、混ぜるのは、私自身です。彼等の中から原産地の違う二つのチョコレートを選び、私自身の混ぜ物を作ります。このことは、今朝も日本の顧客達に言った事なのです。彼等は、「こんな味は初めてだ」と言いますから。私は、「当り前ですよ。私自身が、私好みの物を混ぜたのだから。ともかく、同じものは他にはないはずですよ」と言いました。日本で、取引先を一社だけに絞るのがとても厄介なのは、余りにも沢山のチョコレート業者がこう言って来るからなのです。「貴方のチョコレートは、どこが違うのですか?」と。それは、私の個人的見解からですけど、殆どの、80パーセントの業者達が、基礎となる同じ原材料を使っているということが問題なのです。全てが、いかなる商標といえども、そうなのです。ヘーゼルナッツ・ペーストでも、チョコレートである限り、そうなのです。私達は、幾つかの原産地チョコレートを使用します。マダガスカル産マンジャリ、これを、全てのフランス人業者が使います。理由は、マンジャリはマダガスカル産ですが、Valrhonaを通して入ってくるからです。Valrhonaチョコレートは、ここ日本でも、少なくとも、50のチョコレート店でみられます。だから、私は、同じことをするのは、少々おバカさんだと思ったのです、、、幾つかの違った原産地のチョコレートを使うことは大切ですが、その上、自分自身で作らなければ、危険です。何故って、隣人がそっくり同じものを作るってことがあるかも知れないから。後で、クレームフレッシュを付け加えればいいって? でも、根源的に味覚を変えるとは、そんなことではないのです。そんなことをしたって、その二人のチョコレート職人の間には、味覚の違いは生じないものですよ。こうなると、形を変えるしかなくなる。私は、そういった問題を乗り越え、違いを発揮したいと思ったのです。コンクリートの打ちっぱなしと同じです。実際、それは、大いに本来の味覚を留め、食べたときに、、、ここ、日本では、私は、胡麻入りのプラリネを作りました。それを食べると、胡麻の風味が、口腔に留まります。私は、食べると瞬く間になくなってしまうプラリネを作る積りはありませんし、作りません。食べると、口腔内を満たし、しばらくの間、そこに留まっているようなプラリネであって欲しいのです。もし4つのプラリネしかないとすると、その一つをとって、ゆっくり味わい、美味しさを賛美します。もし、次々に口にほうりこめば、最初の一つが、まだ口の中に残っているので、一つをゆっくり味わっている暇がないはずです。ですから、ここ日本の為に私が想をねっていたのは、まさにそれだったのです。即ち、強い、濃密な風味を持ったプラリネを作ることでした。
 
フラン・パルレ:貴方がチョコレートの新製品をお出しになる間隔はどの位? アイスクリームの場合は?
ステフォンヌ・ヴォンドパ-ル:時と場合によります。アトリエでどれだけくつろげる時があるかにもよりますが、しょっちゅうというわけにはいきません。もっと沢山新作を作らなければと思っています。余りにも、デザートやアイスクリームやチョコレート作りに忙しすぎます。ともかく、そんなことをしている暇がないのです。実際、旅行で出ていても、アトリエの指揮もしていますから。想像してみてください。東京にいる間も、私は毎日のように連絡をとっています。時差の関係上、笑っちゃいますよ、24時間中ずーと、店を開けっぱなしという感じです。もう殆ど毎日がそうです。こちらで起きる時は、あちらでは、寝る時刻ですからね。メールによるその日の報告が入り、それを読みます。ともかく、一日中、朝の5時から、そうですね、、、昨日などは、寝たのは、朝の2時でした。アトリエの全部の問題を、電話を処理しました、、、外国にいる時は、非常にやっかいですよ。それに、私は、ひんぱんに外国に行きますし。だから、余り寝ていないのです。
 
フラン・パルレ:外国へ進出なさりたい理由は?
ステフォンヌ・ヴォンドパ-ル:もっとも私は、50か国を訪ねようとは思っていません。すでに、2か国とは、仕事の関係を結んでいます。ウクライナとロシアです。日本とは、実際、色々な見通しに立って、少々接触してきましたが、まだ、、、まだ、根をおろしたとはいえません。ここで、Foodexに参加したのは、私を助けてくれそうな信頼のおける人を一人探すためでした。まさに、販売業者を一人見つけようと思ったのです。日本に到着した時に、「一人でも見つかれば、いいほうだな」と。でも、日本を離れる今になって、悩んでいるのです。「これから先、また一人現われるかもしれない」からなのです。言っていることが変わったのです。一週間のうちに、まさに変わったのです。
 
フラン・パルレ:それは、贅沢な悩みではないですか?
ステフォンヌ・ヴォンドパ-ル:それこそが問題なのです。それに、正しい選択をしなければいけません。日本にいるということを考慮にいれなければなりませんし、、、私もまた、ちょっとそんな風なところがあるので、厄介とは思いません。ほら、色々契約を結ぶとします。口約束の段階までは、大いに上手くいきます。でも、問題なのは、その後で、その約束を反故にすることができないということです。それが、とても重要なのです。そのことをよく知っていなければなりません。さもないと、日本では、完全に、敗北者になります。すなわち、我々は、選んだ販売業者が適格者であると、真に確信をもっていなければならないということです。でも、それは、難しいことなのです。本当に、賭けというものです。2つの選択しかない時は、選ぶのは簡単ですが、7つ、7つ8つともなると、、、そうなると、全くお手上げです。彼等には、皆、一長一短がありますからね。そのうえ、もっと面倒なのは、彼ら全員、大いに関心を寄せてくれ、一度ならず尋ねてきてくれましたから。その中で、本当にとても大きな会社が2つありました。彼等は、きっと、我々を助けてくれるでしょう。でも、彼等は、同時に、大規模な組織のもとにあるので、我々は、他社とのなかで、押し潰されはしないかという問題が生じます。といって、小さい方の会社を選べば、反対の意味で、問題を提起します。この小さい会社は、大きい会社ほどに、敏捷に動いてくれるだろうか?と。
 
フラン・パルレ:少々、ベルギーのことに話を戻します。あなたは、チョコレートの国ベルギーには、アイスクリーム業者は殆どいないとおっしゃいました。どうやって、やりとげられたのですか? 理由でもあるのですか?
ステフォンヌ・ヴォンドパ-ル:どこの国でも言えることですが、私は、37歳の時、2000m2の私のアトリエ建設のために、融資を願い出ました。それは、莫大な投資額です。銀行は、そんなお金を私に貸してくれませんでした。当然ですよ。銀行にとって、私はまだ青二才です。充分な担保がありませんでしたからね。そこで、私はかなり割り切りが早いほうなので、こう言って少々諦めました。「そうだ、シンプルにいこう。僕はこう言える自信がある。僕のアイスクリームで、一儲けしてやろう。僕のアイスクリームで名を成してやろう。それには、ちょっと賭けに出てみるか。いまに見ていろ!チョコレートのシェフを5人挙げて見ろ。それは、簡単だ。ベルギーだからね。じゃあ、今度は、アイスクリームのシェフを5人挙げて見ろ。」とね。色んな国で、そんな風にやってごらんなさい。そんなに右から左に簡単に答えられるものではありません。皆、最高のアイスクリム屋は、自分のふるさとのアイスクリーム屋だと思っているのですから。そうかと言って、自国を代表するアイスクリームのシェフを5人挙げるという事は、なま優しいことではありません。ところで、ベルギーでは、私は実際その地位を手に入れました。例えば、Carrefourが、他社をさしおいて、私と商売したいといってきたのです。ですから、今や概ね、私は、Carrefourで大きな存在を占めています。何といっても、彼らの方から、私との契約を欲したのですから。そして今、彼等は、 Market事業に於いて、ベルギー国内に、Carrefour Marketを展開しました。400店舗あります。彼等は、”トレンディな店”という新たなキャッチフレーズを掲げ、そのトレンディな店の中で、私が社の先端をきっています。要するに、冷凍部門での我が社は、門戸開放なのです。私は登録番号、国の定めた登録番号のことを言っているのです。スーパーマーケットに参入するための商品に与えられるちょっとした番号です。私には、使用中のものが7つ、認可を受けているものが52もあるのですよ。我が社は、小さな会社にすぎませんが、国内のCarrefour店に、59もの登録番号を持っているのです。この数は、Coca Colaよりも、Unileverよりも多いのです。わずか2000m2のアトリエしかない小さな会社にとっては、有り余る光栄だといえます。アイスクリーム屋として、本当に切磋琢磨したお蔭です。結局のところ、私のような一介のアイスクリーム屋にも、道が開けたのです。次いで、我が社のチョコレートも、デザートも薦めることが出来たのです。彼等は言ってくれましたよ。「いっそのこと、チョコレートもデザートも試してみよう。いい考えだ。」と。
 
幕張にて、2016年3月
インタビュー:エリック・プリュー
翻訳:井上八汐

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