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La francophonie au Japon

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『ダリダ あまい囁き』Dalida
© 2017 BETHSABEE MUCHO-PATHE PRODUCTION-TF1 FILMS PRODUCTION-JOUROR CINEMA

『ダリダ あまい囁き』
 
「自由に踊って歌わせて♪ 踊らせて♪ 好きなように♪ 夢の果てまで♪」( “Laissez-moi danser”より)映画の中で、ダリダがよみがえる…… 軽やかなビート、のびやかな歌声。ああ、この頃は時代そのものがキラキラしてたっけ。1970年代後半、彼女の弟でありプロデューサーであったブルーノ・ジリオッティは、彼女の昔のナンバーをディスコビートにアレンジ、ダリダはダンサーたちに囲まれて華麗なショーを展開していた。かつてジュリエット・グレコやシャルル・アズナブールたちの前座をつとめ、後にエディット・ピアフから「私の次はあなたよ」と賛辞を送られたエジプト出身の歌手・ダリダ。このまま、情感豊かなバラードを歌い続ける道もあったのだろうけれど、彼女は最後の最後まで「過去の人」になろうとはしなかった。ブルーノと手を取り合い、未来へ向かって歩き続けた。
  そんなダリダの死から30年以上が経った。ブルーノは、彼女の未来を「映画」に託した。少女時代、ミス・エジプトの栄冠、歌手としてのデビュー、「バンビーノ」の大ヒット、結婚と離婚、インドへの旅……映画は、ダリダの歌声に乗せてヨランダ(ダリダの本名)の人生を語る。歌手としての人生、そして1人の女性としての2つの人生だ。「(聴衆ではなく)あなたに愛されたい」と恋人をみつめるヨランダ。「夕食をつくって子供を育てたいの」と切に願うが、芸術の神様は彼女を手放そうとはしなかった。愛する人を失う度に彼女の歌は成熟し、多くの人を魅了する。そして、「子供を産む」という道を断念したとき、ダリダの人生はディスコビートに乗って新しい時代へと動き出す。ちょうど日本がバブル経済に向かおうとしていた頃だ。「僕の使命は今でも当時と同じ。彼女の記憶をただ残し続けるだけじゃなくて、彼女を未来に連れて行くことなんだ」。ブルーノの言葉のとおり。映画の中でダリダは生きている。20世紀ではなく、21世紀を、不死鳥のように。(Mika Tanaka)
 
監督:リサ・アズエロス
出演:スヴェヴァ・アルヴィティ、リッカルド・スカマルチョ、ジャン=ポール・ルーヴ
ニコラ・デュヴォシェル、アレッサンドロ・ボルギ、ヴァンサン・ペレーズ、パトリック・ティムシット
2017年/127分
 
Dalida de Lisa Azuelos avec Sveva Alviti, Riccardo Scamarcio, Jean-Paul Rouve, Patrick Timsit, Vincent Perez; 2017, France, 127 mn
 
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