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La francophonie au Japon

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東京で上映されるフランス語圏映画Les films en français à Tokyo
投稿日 2018年1月31日
最後に更新されたのは 2024年7月26日


ヒューマントラストシネマ有楽町 03‐6259‐8608
Bunkamura ル・シネマ渋谷宮下 050‐6875‐5280

上映中

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Crédits : Ⓒ2023 LILIES FILMS

『クレオの夏休み』
 クレオ(ルイーズ・モーロワ=パンザニ)は6歳。パパと2人でパリで暮らしている。ママはいない。でも、本当のママのようなあったかさで包み込んでくれるグロリア(イルサ・モレノ・ゼーゴ)がいる。グロリアは、パパが仕事をしている間、クレオのそばにいてくれるナニー(乳母)だ。クレオがグロリアを必要としているように、グロリアもまた、クレオを実の娘のように愛していた。あるとき、グロリアは故郷のカーボベルデに帰らなければならなくなる。
ママを失い、グロリアを失ったクレオ。天国のママとは会えない、でもグロリアとは、飛行機に乗って海を渡れば会える。クレオは、1人でグロリアの待つアフリカの島へと向かう……メガネをかけた小さな少女にとって、聴覚や触覚で得る情報は何よりも大切。子供ゆえの繊細な感性はより研ぎ澄まされ、クレオのイマジネーションは柔らかな色彩のアニメーションで表現される。公園で弟とケンカしているところをキャスティングディレクターに見出された少女ルイーズは、偶然とは思えないほどの機知と才能を持ち、詩情溢れる演技で私たちを魅了する。彼女の演技を受け止めるナニーを演じるイルサは、実際にフランスでナニーの仕事をしていた。イルサの出身地がカーボベルデだったことが、この映画の設定として使われた。
「愛にお金が支払われる。それは本当の愛?それとも単なる仕事?あるいは心からの使命?」マリー・アマシュケリ監督は、映画を通してこの問いを投げかける。彼女自身が大好きなナニーと過ごした子供時代を重ねることで、この映画は完成する。「私のナニーであったローリンダ・コレイアは、今でも自分を『私の娘』と呼んでくれます」と監督は語る。生計を立てるためにナニーの仕事を選んだとしても、心と心の結びつきが”仕事”という枠を超えた”愛”になることがある。幼いマリーは、親孝行をするかのように、ローリンダへの感謝と愛を映画を通して伝えたのだ。
この映画は、愛だけを描いているわけではない。植民地主義の負の遺産についても目をそらさずに描く。実の子供たちを故郷に残してパリで働かなければならなかった多くのグロリアがこの世界に存在していることを、決して忘れてはならない。(Mika Tanaka)

監督:マリー・アマシュケリ 
出演:ルイーズ・モーロワ=パンザニ、イルサ・モレノ・ゼーゴ、アルノー・ルボチー二
2023年/フランス/83分

À l’écran
Àma gloria de Marie Amachoukeli avec Louise Mauroy-Panzani, Ilça Moreno, Arnaud Rebotini; 2023, France, 83 min

https://transformer.co.jp/m/cleo/

ヒューマントラストシネマ渋谷 03‐5468‐5551
池袋シネマロサ 03‐3986‐3713
新宿武蔵野館 03-3354-5670

上映中(新宿武蔵野館は8月1日まで)
『越境者たち』
監督:ギョーム・レヌソン
共演:ザーラ・アミール・エブラヒミ、ドゥニ・メノーシェ、ヴィクトワール・デュボワ
2022年/フランス/93分

http://ekkyousya.com/

新宿武蔵野館 03-3354-5670

上映中

ジャン=ポール・ベルモンド傑作選
GRAND FINALE(グランドフィナーレ)

2021年9月6日に惜しくも世を去ったフランス映画界のレジェンド、ジャン=ポール・ベルモンド。
2020年10月、2021年5月、そして2022年9月の3回にわたり彼の主演作を厳選して上映してきた「ジャン=ポール・ベルモンド傑作選」が、最高のラインナップを揃え、感動のフィナーレを飾ります!

<上映作品>※日替わり上映
8月1日(木)まで
『おかしなおかしな大冒険』
監督:フィリップ・ド・ブロカ
共演:ジャクリーン・ビセット、ビットリオ・カプリオリ
1973年/フランス・イタリア/93分

終了
『ライオンと呼ばれた男』
監督・脚本:クロード・ルルーシュ
音楽:フランシス・レイ
共演:マリー・ソフィー・L、アル・デュビビエ
1988年/フランス・ドイツ/127分

『レ・ミゼラブル』
監督・脚本:クロード・ルルーシュ
音楽:フランシス・レイ、ミシェル・ルグラン、他
共演:ミシェル・ブジュナー、アレサンドラ・マルティンヌ、サロメ・ルルーシュ、アニー・ジラルド
1995年/フランス/175分

『冬の猿』4Kリマスター版 ※2K上映
監督:アンリ・ヴェルヌイユ
共演:ジャン・ギャバン
1962年/フランス/104分

『リオの男』2Kリマスター版
監督:フィリップ・ド・ブロカ
共演:フランソワーズ・ドルレアック、ジャン・セルヴェ
1964年/フランス・イタリア/116分

『カトマンズの男』2Kリマスター版
監督:フィリップ・ド・ブロカ
共演:ウルスラ・アンドレス、ジャン・ロシュフォール
1965年/フランス・イタリア/109分

『大頭脳』2Kリマスター版
監督:ジェラール・ウーリー
共演:デヴィット・ニーヴン、ブールヴィル、イーライ・ウォラック
1969年/フランス・イタリア/115分

『恐怖に襲われた街』2Kリマスター版
監督:アンリ・ヴェルヌイユ
共演:シャルル・デネ、レア・マッサリ
1975年/フランス/126分

『危険を買う男』2Kリマスター版
監督:フィリップ・ラブロ
共演:ブルーノ・クレメル、ヴィクトール・ガリヴィエ
1976年/フランス/110分

À l’écran
Rétrospective Jean-Paul Belmondo
Un singe en hiver, Le magnifique

https://belmondoisback.com/

シアター・イメージフォーラム03-5766-0114

7月26日(金)まで

Animal
Animal
Crédits : ©CAPA Studio, Bright Bright Bright, UGC Images, Orange Studio, France 2 Cinéma – 2021

『アニマル ぼくたちと動物のこと』
ベラ・ラック、ロンドン在住。X(旧ツイッター)で13万人のフォロワーを持つ。ヴィプラン・プハネスワラン、スリランカ出身。現在はパリを拠点に活動している。育ってきた環境が異なる2人の共通点は、どちらも熱心な環境活動家であること。そして、2人とも撮影時に16歳だったことだ。欺瞞に満ちたこの世界で、ベラとヴィプランは動物や地球を守る活動をしている。自分たちのかけがえのない時間を費やして。でも、その犠牲に見合った成果がないことに憤る。
 あるとき2人は、暗い場所に案内される。電気がついたとたん、彼らは言葉を失う。そこにはケージに詰め込まれたウサギが大量にいた。ショックを受ける子供たちに続いてカメラが捉えたのは、どこか悲しげな目をした飼育場の管理者だ。飼育現場の実情を語る中、ベラとヴィプランに何かを「伝えたい」という必死の思いが伝わってくる。
「ウサギを飼育する業者の人から、ぜひ取材をしてほしいという連絡が動物愛護の団体を通して入ってきたのです」とシリル・ディオン監督は振り返る。なぜウサギをその環境で育てるのか、それは本当に動物虐待なのか、ベラとヴィプランは映画の中で異なる立場の声を聞き始める。あるとき、2人はクロードという名の牛飼いに出会う。牛が大好きなクロードは、牛飼いでありながら牛の数は数えない。1頭1頭、牛の名前をノートに書き留めているから。そして、牛が屠殺場に連れて行かれるたびに涙を流す。
ディオン監督は、環境破壊や動物虐待の実情を多角的な視点で捉える。一方的な正義感はそこにはない。そして、どうすれば地球と人間の双方にとってよい選択ができるのか、その答えを観客に問いかけていく。虐げられる動物、絶滅の危機に瀕する動物たちを救うためにどうしたらよいか、問題提起がされていく中で、この映画の本当のテーマが少しずつ見えてくる。

Cyril Dion シリル・ディオン監督(2024年3月21日撮影)
Cyril Dion シリル・ディオン監督(2024年3月21日撮影)
Crédits : ©Mika Tanaka

「動物への愛を、人間を憎むことに使っているんだね」。笑顔を見せることのないベラに、ディオン監督が静かに問いかける。映画の冒頭では大人たちへの不信感と怒りに支配されていたベラとヴィプラン。2人がさまざまな大人たちに出会い少しずつ心を開いていく過程は、心を癒していく旅のよう。学者、弁護士、ジャーナリスト、政治家、エコノミスト、農園主……自分たちの周りには、信じるに値する大人たちがいるのだ。2人は自分たちの未来に希望が残されていることを知る。ディオン監督が束ねた大人から子供への愛のメッセージを、1人でも多くの子供たちに届けたい。(Mika Tanaka)

監督:シリル・ディオン
出演:ベラ・ラック、ヴィプラン・プハネスワラン、ジェーン・グドール ほか
105分/2021年/フランス

Jusqu’au 26juillet

ANIMAL documentaire de Cyril Dion avec Bella Lack, Vipulan Puvaneswaran, Jane Goodall, Baptiste Morizot; 2021, France, 105 min

https://unitedpeople.jp/animal

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