『神様メール』Le tout Nouveau testamentブリュッセルに家族で住む神様の娘エア。人間が抱く慈悲深いイメージとは裏腹に、神様はいたずら好きで性格も荒々しい。パソコンを使って人間の運命に災いをもたらしては楽しむ日々を送っていた。そんな神様に翻弄される人間に自由になってもらうため、エアは神様のパソコンから人間に余命を伝えるメールを送信する。長男イエスがエアに「自分が12人しか集められなかった使徒を18人に増やせば奇跡が起こる」と助言し、残りの6人と接触するため、エアは人間の世界へと向かうのだった。死へのカウントダウンが表示されるメール画面を見ながら人々はどう行動するのか?思わず「いま自分に余命を宣告されたらどうするだろう」と考えてしまう。聖書の有名な場面をパロディ化していて宗教的な風刺も感じさせるが、使徒の個性と奇想天外なストーリー性によって難しさは感じずに誰もが楽しめる。エアが人間に伝えたかったメッセージをぜひ感じ取ってほしい。(スズキエイコ)監督:ジャコ・ヴァン・ドルマン出演:ピリ・グロワーヌ、カトリーヌ・ドヌーヴ、ブノワ・ボールヴールド、フランソワ・ダミアン2015年/フランス・ベルギー・ルクセンブルク/115分
『神様メール』Le tout Nouveau testament